春からお散歩練習をしている僕。
お外に出ると、風の音や空気の匂い、
いろんな情報が僕の中にぶわぁっと入ってきて
わくわくとビクビクが一緒になった
不思議な感覚になります。
僕の見つめる先には
裏庭から敷地外に出ていくための階段と扉があります。
階段を降りて扉を抜けると
大きな世界が広がっているんです。
さて、行きますか。
世界制覇への大きな一歩です。
将を射んと欲すればまず馬を射よ。
世界制覇のために、
僕はまずご近所を制覇せねばなりません。
「、、、、、、、。」
広い、、、広いですよ。
ちょっと待って下さい。情報量が多すぎます。
風で木がザワザワ音を立てて
川の水の音が聞こえて
草の匂いがして
鳥も飛んでたりして、、、、。
えーっと、えーっと。
僕が来たのはあっちからで、、、
えーっと、、、。
ちょっと待って下さいママさん。
まだ動きたくないです。
どっちに進むかまだ決めてないんですから。
と、とりあえずこっちにしようかな。
10分程思案し僕は進み始めましたが、
早速手強い敵に遭遇しました。
側溝蓋の間にある「穴」です。
なんですかこれは!?
ものすごく気になりますよ!
ここはどこに繋がっているんですか?魔界ですか?
中に何かいますか?
ものすごい魔力に引き寄せられて
僕はここを覗いたり匂ったりすることがやめられません。
ふう、、、。
危なかった。
ちょっとこっちもチェックしときましょうか。
いや、でもやっぱり
ここをもう1回確認しないと。
ん??
ちょっと待って下さいママさん。
こっちにも穴があるじゃないですか!
これはなかなか前に進めませんよ。
そんなこんなで僕のお散歩は進まず
日が暮れて暗くなって
蚊もぶんぶん飛んで来て。
最終的にママさんに抱えられて
階段を駆け上られてしまいました。
側溝蓋、こいつはかなり手強い敵です。